何故ラブライブはアイマスに負けたのか
一時期「社会現象」「国民的アイドル」などともてはやされていたラブライブは何故、アイマスに負けてしまったのか。
タイトルを見て「ラブライブの方が上」「対立煽りやめろ!」という方も多いだろうが、現実を見よう。
まず、ラブライブが一体全体どこまで落ちぶれてしまったのかを認知してもらう必要がある。
CDの年間売上枚数についてご覧頂きたい。
このグラフからラブライブはμ’s解散してから確実に衰退していると判断できる。Aqoursは始めは良かったのだが、所詮はμ’sの七光りで多くのラブライバーが見限ったことが目に見えて分かる。
キャラクター毎のソロCDの売上はどうだろうか。(ソロCDの購買層は特定のキャラへの"愛"が深い、コアなファンだと推測。最新のソロCDシリーズを比較した。)
●THE IDOLM@STER 765AS
(2015年 発売)
27,357 MASTER ARTIST 3 01 天海春香
28,550 MASTER ARTIST 3 02 我那覇響☆
27,379 MASTER ARTIST 3 03 菊地真
20,069 MASTER ARTIST 3 04 星井美希
19,038 MASTER ARTIST 3 05 水瀬伊織
20,025 MASTER ARTIST 3 06 四条貴音
20,644 MASTER ARTIST 3 07 如月千早
(中略)
13,831 MASTER ARTIST 3 13 秋月律子★
●THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
(2012-2018年 発売)
40,025 CINDERELLA MASTER 001 渋谷凛
46,052 CINDERELLA MASTER 002 双葉杏☆
37,839 CINDERELLA MASTER 003 三村かな子
41,646 CINDERELLA MASTER 004 高垣楓
35,306 CINDERELLA MASTER 005 城ヶ崎莉嘉
31,579 CINDERELLA MASTER 006 神崎蘭子
(中略)
14,734 CINDERELLA MASTER 033 宮本フレデリカ★
●ラブライブ!
(2018年 発売)
2,959 Solo Live! III from μ’s 高坂穂乃果
5,033 Solo Live! III from μ’s 園田海未
5,001 Solo Live! III from μ’s 南ことり
7,284 Solo Live! III from μ’s 絢瀬絵里☆
5,145 Solo Live! III from μ’s 西木野真姫
2,845 Solo Live! III from μ’s 東條希★
3,062 Solo Live! III from μ’s 星空凛
3,373 Solo Live! III from μ’s 小泉花陽
2,997 Solo Live! III from μ’s 矢澤にこ
10,499 Solo Live! collection Ⅲ
ここから判断できのは、ラブライブは大して「キャラ人気」が高くないという事だ。
その裏付けとしてGoogleトレンドの検索回数を挙げておこう。
ラブライブは知名度の割にキャラの検索回数が高くない。よってラブライブは「ラブライブ」というタイトル名のみが有名なだけであって、キャラまで好き好んでいる人はアイマスと比べて大して多くないのである。
某まとめサイトの騒動から露見してしまったが、ステマ・広告戦略ありきで中身が薄く、宣伝対象(一般orライトオタク層)からしたら魅力に乏しいのではないだろうか。
コミケのサークル数を比較しても
やはりラブライブはアイマスに劣る。同人誌上でキャラを掘り下げたりやりにくいのか、そもそもラブライブにそこまで求める層が少ないのかもしれない。
そろそろ本題に入ろう。
一つ目はラブライブはアニメ・声優偏重のコンテンツが故、一時的に爆発的人気を得ることがあっても、ゲームや漫画、CD展開などが貧弱だという事もあり長期的に"トレンド入り"を持続できないからである。また、アニメ偏重のコンテンツはコケ易い。
ラブライブがアニメ・声優偏重だということは最近の展開から鑑みれば誰でも理解できるだろうが、「ゲームや漫画、CD展開が貧弱」なのはどうだろうか。
ゲーム展開を見てみよう。
【ラブライブ】
❶2013年 ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル(アプリ)
❷2014年 ラブライブ! School idol paradise(PS Vita版)
❸2016年 ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル~after school ACTIVITY~(アーケード版)
❹2018年 ぷちぐるラブライブ!(アプリ)
(❺)2019年? ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALLSTARS(アプリ)
【アイマス】※現時点で続いてるシリーズのみ
①2005年 THE IDOLM@STER(アーケード版)
②2007年 THE IDOLM@STER(Xbox版)
③2008年 THE IDOLM@STER LIVE FOR YOU!(Xbox版)
④2009年 THE IDOLM@STER SP(PSP版)
⑤2010年 アイドルマスター モバイル(携帯ゲーム)
⑥2011年 THE IDOLM@STER2(Xbox,PS3版)
⑦2011年 アイドルマスターシンデレラガールズ(携帯ゲーム)
⑧2012年 アイドルマスター モバイルi(アプリ)
⑨2012、2013年 THE IDOLM@STER SHINY FESTA(PSP版、アプリ)
⑩2013年 アイドルマスター ミリオンライブ!
⑫2014年 アイドルマスターSideM(携帯ゲーム)
⑬2015年 アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(アプリ)
⑭2015年 アイドルマスター マストソングス(PS Vita版)
⑮2016年 アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション(PS VR版)
⑯2017年 アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(アプリ)
⑰2017年 アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE(アプリ)
⑲2018年 アイドルマスター シャイニーカラーズ(携帯ゲーム)
出している数では比較にすらならないだろう。アイマスの家庭用ゲーム機は売上本数も130万本を上回っている。
アイマスとラブライブ、同じ携帯ゲーム機版の売上や内容比べてみよう。❷、⑨
❷スクパラ 売上本数10.9万本
スクパラ Wonderful Rush(Sリズム譜面) - YouTube
⑨シャイニーフェスタ 売上本数124,056本
アイマスの3Dリズムゲーム、ただしプロデュースゲームではない。
[PSP] Idolm@ster: Shiny Festa - Honey Sound - Watashi-tachi wa Zutto... Deshou? [PRO] - YouTube
ラブライブの方が後発なのに質が大きく劣っている。
次に据え置きゲームを比較❸、⑱
❸アケフェス
【スクフェスAC】Beat in Angel フィナーレなし 【PV確認】 - YouTube
⑱プラチナスターズ
アイドルマスター プラチナスターズ HAPPY! 765 ALL Stars ver - YouTube
ここでようやく、ラブライブ念願の「マトモな3Dモデリング」のゲームが出されるわけだが、結局のところアイマスに完敗している。
アプリ比較
⑬デレステ
3年目を迎え古臭さが目立ってくるかと予想したものの、美しさでさらに際立つデレステ
「デレステ」Trinity Field (Game ver.) 渋谷凛、北条加蓮、神谷奈緒 SSR - YouTube
「デレステ」美に入り彩を穿つ (Game ver.) 小早川紗枝、塩見周子 限定 SSR - YouTube
「デレステ」クレイジークレイジー (Game ver.) 一ノ瀬志希、宮本フレデリカ SSR (Crazy Crazy) - YouTube
⑯ミリシタ
13人LIVEや臨場感溢れ、高い技術を持つミリシタ
❺スクスタ
デレステ、ミリシタ打倒を掲げるも開発に難航しリリース延期を連発
【スクスタ】Aqours『未来の僕らは知ってるよ』ダンスMV(short) - YouTube
❺については後ほど語りたい事があるが、ひとまず置いておいて、アプリにおいてラブライブは5年前にリリースされたスクフェスのみで、「良質なコンテンツをファンへ提供しよう」というやる気が更々感じられない。
定期的に更新されたり、遊び要素のあるゲームは長期間ファンとコンテンツを繋ぐものであるのに、アニメというものは三回も見れば大体の人は飽きるだろう。その点においてラブライブはアイマスに持続力の観点からして勝てないのだ。
最後に❺のスクスタについて。
ようやく上記の点を認識したためか、頑張って3Dグラフィックのマトモなアイドルゲームアプリを開発しているらしいのだが、コンセプトが
「最強で最高のアイドルゲーム」
もはや何一つ包み隠さずアイマスシリーズ、特にデレステに対して宣戦布告をする態度が昔から何一つ変わっておらず、ラブライブ開発チームのアイマスコンプレックスがドストレートに伝わってきて笑えてしまう。
●デレステ→スマホのリズムアプリで3Dのアイドルが歌って踊る
○スクスタ→デレステがフォーメーションダンスで手こずってるうちに作ってしまえ
●デレステ+ミリシタ→フォーメーションダンスを実装
○スクスタ→9人フォーメーションダンス(開発中)のスクショを公開
●ミリシタ→13人のフォーメーションダンスかつ歌い分け機能を実装
○スクスタ→開発延期を発表
●デレステ→PV風の超高画質MVを実装
○スクスタ→Klab公式から「クオリティを上げるためリリース延期」と発表
アイマスコンプレックスを拗らせていなければリリースできそうなものをなぜ・・・・(笑)
コンテンツ自体の対立の発端は以下を参照
■アイマスとラブライブの確執 ~歴史を紐解いてみた~■
【ナムコ発のアイマス】アイドルマスタープロジェクトは2001年にナムコによって始められた。2005年アーケード版「THE IDOLM@STER(通称アケマス)」開始、すぐにバンナムはサンライズにアニメ化を依頼した。当時はアイマスが大ヒットとするとは誰も予想しておらず、サンライズはアイマス開発チームの意向を無視し"ロボットアニメ"として監督に作らせた。
【アイマス運営とサンライズの対立】2007年にバンナムはアニメ放送に先駆けてアイドル育成ゲームとして家庭ゲーム機用に「THE IDOLM@STER(通称 箱マス)」を発売し、これが動画サイトを中心に大ヒット。しかし同年放送されていたアイマスのアニメは"ロボットアニメ"の「アイドルマスター ゼノグラシア」で当時のファンは困惑せざるを得ず、黒歴史へと位置づけがなされた。また当時のアイマス開発チームも困惑し、これがアイマスとサンライズの決別(?)へと繋がった。
【再び大コケするアイマス】アイマスの運営は箱マスの後継として家庭ゲーム機用の「THE IDOLM@STER 2」を開発した。しかし、2010年の発表会で一部キャラをプロデュース不能(実質ハブる)にしたという致命的な宣告をPの前で明かし、大勢のPが無言退席するという事件が起きた。声優も涙ぐみ、地獄絵図であったとされる。9・18事件と言われた。
【サンライズ・電撃発のラブライブ】一方サンライズと電撃は2010年に電撃G'sマガジン上で「ラブライブ!」プロジェクトを始めた。アイマスPから徹底的に叩かれたせいか、逆恨みをして「こっちも独自の美少女コンテンツやりたい!」と対抗意識を燃やした模様で、電撃側に話を持ちかけたらすんなり通ったらしい。
【アニメ化に再挑戦するアイマス運営】アイマス運営はサンライズに依頼したアニメが失敗作だった事から、アニメを作り直そうという方針で、先の失敗を生かし、A1に依頼しつつも自社のアイマスに精通したスタッフを配置した。そして2011年にようやくアイマスとして妥当なアニメ、「THE IDOLM@STER(通称アニマス)」が放送された。これによってアイマス2の売上は16万本を突破し、昨年の9・18事件の分を取り戻したと言える。
【アイマスの拡大~デレマスの夜明け~】2011年末、アイマス運営はモバゲーと連携して携帯型ソシャゲー「アイドルマスター シンデレラガールズ(通称モバマス)」を開始。手軽に出来るということからPの人口は激増した。本ゲームでは346プロダクションのアイドルが中心となった。
【燃え上がるサンライズ側の対抗意識】サンライズはアイマスの再起に対抗意識を抱き、2013年に自社でアニメ「ラブライブ!(アニメ)」を製作し、放送した。同年Klabは「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル(通称スクフェス)」を携帯型音ゲーとして配信開始、アイドルものの音ゲーというアプリは初なので、すぐにヒットした。
【更なるアイマスの拡大】2013年初頭、アイマス運営はグリーとも連携し、765プロ中心の「アイドルマスター ミリオンライブ!」を配信開始。イラストはすべてA1による新規書き下ろしで、ASメンツも同格扱いという事からモバマスよりもバンナムのアイマス運営により近い立場と推測される。
【本家アイマスの衰退とアイドル戦国時代の始まり】2014年中頃、家庭用ゲーム機「アイマスOFA」が発売され売上が10万本を突破した。同年映画化もされ興行収入7.5億円を記録した。この頃から765本家とモバマスの力関係が逆転し始めた。また競合勢力の多様化と力関係の変化で、アイマス本家P・モバマスP・ラブライバーの衝突がネット上の各地で見られるようになった。モバマスは140億円、グリマスは40億円、スクフェスは40億円の売上を記録した(?)。
【ラブライブ最盛期】2015年中頃、ラブライブはついに劇場版を公開。2次元アイドルコンテンツとして唯一、スマホ上で音ゲーを配信していて、かつ、度重なるメディア出演により社会的知名度が高い事も重なり興行収入は28億円を突破、紅白への出演も果たした。おそらくアイマス運営は衝撃を受けたであろう。
【デレマス覇権時代】アイマス運営はA1へ依頼し制作した「アイドルマスター シンデレラガールズ(アニメ、通称デレアニ)」を2015年初頭放送開始した。またCygamesへ依頼し「デレステ」を同年後半にリリース、初の3Dアイドルがライブをする音ゲーだったのとアニメ放送に重なったのとで、瞬く間に大ヒットし現在に至るまで3年間音ゲー首位・全ソシャゲのTOP10として君臨する事となる。またデレマス単独のCDの年間売上枚数は100万枚に迫り、アイマス全体では100万枚を軽々超す凄まじい勢いとなった。
【落日のラブライブ】ラブライブは2016年μ'sファイナルライブを行い、Aquorsへと強制的に世代交代を敢行。これによって多くのライバーが辞め、ラブライブの力は地に落ちた。また、一般層に広く知れ渡っていたが故に「AV騒動」が炎上したことによって多くのライト層も去った。
こういった歴史も踏まえると、ラブライブというコンテンツはアイマスに負けるのは必然かもしれない。しかし、延命策はまだあるのではないだろうか。
いまのラブライブは確実にまずい方向に向かっている。μ’s解散でファンからの信頼を地に落としたせいで、Aqoursもそのうち解散するのではないかという噂が立っている。新しいラブライブサイトのドメインが虹ヶ咲学園を連想させるものになっているなど運営に対するファンの不信感は強くなるばかりだ。
こういう所はアイマスに倣い全てのグループを並行して存続させれば問題など生まれないのにと思う。
また、スクスタで起死回生を狙っているならそれは愚かだ。デレステのように頻繁に曲やMVを追加できるだろうか?曲追加となればただでさえ少ない声優をさらに酷使する事になりかねないだろう。MVを定期的に作る事になればKlabにバンナム・Cygamesと同等の技術や維持力を求められる。